皆さん日本神話は皆さん、知っていますか?

天の岩戸

 
澄み渡った高い空の上に、高天原という神々のお住まいになっているところがありました。

そこには天照大御神あまてらすおおみかみさまという偉い神さまがいらっしゃいました。

その弟に須佐之男命すさのおのみことという力自慢で、いたずら好きな神さまがいました。

ある時、大御神さまが機はたを織っておられると、須佐之男命は大御神さまを驚かそうと、そっと御殿に忍びより、天井からドサッと馬を投げ入れました。

これには日頃やさしい大御神さまも、さすがにお怒りになられ、天の岩戸という岩屋に隠れてしまわれました。

さぁ大変です。世の中はもう真っ暗闇です。困りはてた神さまたちは、天安の河原あめのやすのかわらに集まり相談をしました。
そこで思兼神おもいかねのかみという賢い神さまが一計を案じるのでした。

すでに準備ができると、まずニワトリを一羽鳴かせました。

そして天宇受売命あめのうずめのみことという踊りのうまい神さまは、オケの上でトントンと拍子をとりながら踊りだしました。
神さまたちは手をたたいたり、笑ったり、しまいには歌をうたい始めました。

外が余りにもにぎやかなので、大御神さまは不思議に思われ、岩戸を少し開いてみました。

その時です。

力の強い天手力男神あめのたぢからおのかみは、力いっぱい岩戸を開きました。 真っ暗だった世の中もみるまに明るくなり、神さまたちも大喜びです。

高天原にもまた平和がもどってきました。
 

神話 天の岩戸について
あまのいわとは、「古事記」の中に納められている、最も代表的なものです。

この「古事記」は、天武天皇の命により稗田阿礼が暗誦した神代からの伝承を、太安万侶という人物が書き上げ、和銅5年(712)に元明天皇に献ったものです。

全部で三巻あり、このうち上巻には天地の始めから、神々の出生、この日本を治められた皇室のはじまりまでが記載されています。

この部分が普通、日本神話と呼ばれているところです。こうした、神話は単なる物語ではなく、私たちの祖先がどのような世界観、人生観をいただいていたのかを、これによって知ることができます。私たち日本の文化・伝承の根底にある、いわゆる民族としての心を宿しているのが神話であるといえるでしょう。

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神道は、日本人の暮らしの中から生まれた信仰といえます。遠い昔、私たちの祖先は、稲作をはじめとした農耕や漁撈などを通じて、自然との関わりの中で生活を営んできました。自然の力は、人間に恵みを与える一方、猛威もふるいます。人々は、そんな自然現象に神々の働きを感知しました。また、自然の中で連綿と続く生命の尊さを実感し、あらゆるものを生みなす生命力も神々の働きとして捉えたのです。そして、清浄な山や岩、木や滝などの自然物を神宿るものとしてまつりました。やがて、まつりの場所には建物が建てられ、神社が誕生したのです。このように、日本列島の各地で発生した神々への信仰は、大和朝廷による国土統一にともない、形を整えてゆきました。そして、6世紀に仏教が伝来した際、この日本固有の信仰は、仏教に対して神道という言葉で表わされるようになりました。 

神道の神々は、海の神、山の神、風の神のような自然物や自然現象を司る神々、衣食住や生業を司る神々、国土開拓の神々などで、その数の多さから八百万の神々といわれます。さらに、国家や郷土のために尽くした偉人や、子孫の行く末を見守る祖先の御霊も、神として祀られました。奈良時代にできた『古事記』『日本書紀』には、多くの神々の系譜や物語が収められています。

神道の信仰が形となったものが祭りです。祭りは、稲作を中心に暮らしを営んできた日本の姿を反映し、春には豊作を、夏には風雨の害が少ないことを祈り、秋には収穫を感謝するものなどがあり、地域をあげて行われます。祭りの日は、神社での神事に加えて神輿や山車が繰り出し、たくさんの人で賑わいます。神道の祭りを行うのは、神社だけではありません。皇室では、天皇陛下が国家・国民の安寧と世界の平和を祈るお祭りを行われています。また、家庭では、神棚の前で家の安全、家族の無事を祈ります。これも小さな祭りといえます。

神道のもつ理念には、古代から培われてきた日本人の叡智や価値観が生きています。それは、鎮守の森に代表される自然を守り、自然と人間とがともに生きてゆくこと、祭りを通じて地域社会の和を保ち、一体感を高めてゆくこと、子孫の繁栄を願い、家庭から地域、さらには皇室をいただく日本という国の限りない発展を祈ることなどです。このような理念が、神々への信仰と一体となって神道が形づくられています。また、神道には、神々をまつる環境として、清浄を尊ぶという特徴があります。神社は常に清らかさが保たれ、祭りに参加する人たちは必ず心身を清めます。これら神道の理念や特徴は、日本人の生き方に深く影響しているといえるでしょう。

神道は、日本の民族宗教といわれ、日本人の暮らしにとけ込んでいます。たとえば、初詣や厄除、初宮参りや七五三、結婚式や地鎮祭など、神道の行事は日常生活のいたるところに見かけることができます。しかし、一般の日本人は、あまりにも身近なせいか、神道について知らないことが多いのも事実でしょう。
このウェブサイトが、皆さんを神道の世界へ誘う案内役となれれば幸いです。

 

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